バイオエアロゾルの研究機器のご紹介

バイオエアロゾルとは

大気中に浮遊し,生物に由来する有機物粒子の総称である。真菌および細菌,ウイルス,花粉,動植物の細胞断片などを含む。特に,真菌と細菌は,ヒト健康や生態系に影響を及ぼすだけでなく,雲形成にも関わる可能性があるため,学術的な関心が高い(エアロゾルペディアより)。

ウィルス性疾患の蔓延

• ウイルス性疾患(インフルエンザ、エボラ、SARS、MERS、COVID-19)は人的および経済的に莫大な費用がかかる。
(例えば、米国におけるインフルエンザの年間経済的負担は112億ドル(Putri et al. 2018))
• ウイルス感染に関する研究は公衆衛生の改善を目的としている。

Putri et al . 2018, “Economic burden of seasonal influenza in the United States.” Vaccine, 36:3960, doi: 10.1016/j.vaccine.2018.05.057.

ウィルスの移動

• ウイルスは感染した人から排出される
• ウイルスは飛沫やエアロゾルとして浮遊し広がる
• 感染者に接触した人から人へと広がりやすい(例えば、医療従事者)
➡このような輸送を調査する技術はあるのか?

呼吸飛沫の計測

人より咳、くしゃみ、話す、呼吸などの行為で飛沫が発生される。

(液滴とエアロゾルは、病気の輸送と考えられる感染の既知のメカニズムである(Tellier et al. 2019))

飛沫計測には以下が頻繁に使用される

• 咳などを吸入するチャンバ
• APS 3321
• SMPS 3938
• OPS 3330
• PIVなど

Tellier et al. 2019, “Recognition of aerosol transmission of infectious agents: a commentary.” BMC Infectious Diseases, 19:101, doi: 10.1186/s12879-019-3707-y.
Lee et al. 2019, “Quantity, Size Distribution, and Characteristics of Cough-generated Aerosol Produced by Patients with an Upper Respiratory Tract Infection.”Aerosol and Air Quality Research, 19: 840-853, doi: 10.4209/aaqr.2018.01.0031.

呼吸飛沫の計測

米国陸軍の研究施設では、液滴をくしゃみで発生させ、APS 3321でその特徴を調査している

(米国FOX NEWS:エボラ治療研究、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)およびCOVID-19ワクチン研究報道の一幕 2020年3月30日)

粒径分布計測

ナノサイズ~サブミクロン

サブミクロン~ミクロン

【写真左】Nanoscan SMPS 3910
粒径範囲10 nm~420 nm モビリティ径

【写真左】APS 3321
粒径範囲0.5~20μm 空気動力学径

【写真右】SMPS(DMA+CPC)シリーズ
粒径範囲 1.1 nm~1μm ※モデルにより異なる
モビリティ径

【写真右】OPS 3330
粒径範囲0.3 μm~10 μm 光散乱径

ナノ粒子個数計測(CPC)

感染の可能性がある人の迅速特定

信頼性高く迅速に「スーパースプレッダ」または「スーパーエミッタ」を見つけることができる方法を検討し、製品化しました。これは、清潔で粒子のない空気を吸い込んだ後、測定装置に息を吐き出すことにより呼気中の
粒子を検出する方法です。
COVID-19やインフルエンザなどのウイルスは、エアロゾルとして広がり、気道を介して他の人に感染すると考えられています。
「スーパースプレッダ」や「スーパーエミッタ」は、特に多くのエアロゾル(粒子)を吐き出します。したがって、感染拡大の影響が大きいと考えるべきであり、ウイルス量を測定し、追加試験を実施すべきです。
Resp-Aer-Meterは、「スーパースプレッダ」を特定し、適切な安全対策を迅速に開始するための信頼性の高い方法です※。
※100%の確率で特定・判別できるものではありません。

感染の可能性がある人の迅速特定:使用例

ドイツ・ハンドボール(ブンデスリーガ)のMT Melsungenのメンバーは試合前にResp-Aer-Meterを使用しています。
装置に息を吐出し、感染者がいないことを確認した上で試合に臨んでいます。
※以下は結果一例です(チーム内に感染者が出たことを示しているわけではありません。)

粒子捕集

コロラド大学ボルダー校の研究室では通常のコロナウイルスを培養し新型コロナウイルスと仮定し、どのように空気中に挙動しているか?どのように空気中や表面のコロナウイルスを抑えることが出来るか?を研究している。
粒子発生にはネブライザー(エアロゾル発生器)を使用。粒子捕集もしており、ADI社のBioSpot-VIVAS™Samplerを使用している。

粒子捕集

バイオエアロゾルサンプラー
The BioSpot-VIVAS ™310 Bioaerosol Sampler

・浮遊ウイルスなどの微小なバイオエアロゾル(5 nm~10 μm)を最大90%捕集可能
・サンプルを液体に濃縮捕集させて生存率を
・ゲノム解析のためのDNA/RNAの即時保存

PCR検査用空気中ウイルス捕集

バイオエアロゾルサンプラー

• 操作が簡単で、病院や学校など現場での使用に適しています
• 浮遊ウイルスなどの微小なバイオエアロゾル
• (10 nm~10 μm)を高効率にサンプリング可能
• バイオエアロゾルを無菌スワブ上に濃縮捕集
• サンプルの生存能力を維持
• ゲノム解析のためのDNA/RNAの即時保存

導入例紹介
https://www.t-dylec.net/event/pcr_biospot-gem/

粒子捕集(粒径毎分級捕集)

アンダーセンバーブルサンプラーAV-100

ウイルスを含む飛沫、バクテリア、細菌類、花粉等のサンプリングに最適
培地に分級捕集して培養することが可能

• 粒径分類:6段階
• 分級範囲 0.65 μm~7.0 μm
• 吸引流量:28.3 L/min
• 空気動力学的粒径としてエアロゾルの粒度分布測定が可能

エアロゾル発生器

コリゾンネブライザー
• 垂直または水平方向の発生
• 多様な液体の効率的なエアロゾル化
• 広範囲の粒子発生
• 再現可能な標準評価特性
• ジェット数を可変し発生量を制御可能

PLGシリーズ

• 特殊なラスキンノズルにより液体粒子を再現高く発生
• 簡単操作、丈夫な設計
• 軽量かつ持ち運び可能

ブロースタインアトマイザー(BLAM)
発生粒子サイズ: 約0.1~8 μm

• バクテリアエアロゾルの生存率を向上
• 広範囲の粒子発生

• ワンパスモードとマルチパスモードで発生が可能
• シリンジポンプ等を使用して試験液体を定量的に供給可能
• 垂直に発生するモデル(図①)とより大きな粒子用として水平に発生するモデル(図➁)がある



Sparging Liquid Aerosol Generator (SLAG)

・微生物への物理的損傷が最小限
・低圧でエアロゾル化

Centered-flow Tangential Aerosol Generator(CENTAG)
発生粒子サイズ:3~11 μm (調整可能)

・バクテリアやウイルスを生存状態で供給可能
・吸入されやすい粒子サイズを発生可能

Aero3Gマネジメントプラットフォーム

• アメリカ陸軍感染症医学研究所により開発されたシステム制御技術(特許技術)
• 感染性エアロゾル粒子の曝露粒子サイズと誘発された疾患経過との関係を調査できる
• 環境条件による感染性エアロゾル粒子の挙動研究にも
• ウィルスやウィルスを含む飛沫などのエアロゾルを発生させ動物暴露実験に使用
• エアロゾルの粒径分布計測にはTSIのAPS 3321やPalasのWelas Promoを使用
• システム内の流量コントロール(乾燥希釈空気、加湿希釈空気、発生器流量など)

チャンバー RotatingDrumStaticAerosolChamber

• ドラムが回転することにより重力による沈降が少なく、粒子が長時間空気中に浮遊します
• ウイルスの生存率や感染力の研究に最適
• ドラム容積の異なる複数ラインナップあり(20L 40L 60L 80L)
• 最大20 rpmの回転速度
• 回転チャンバーを密閉するための入口及び出口バルブ
• 標準のグローブボックスやアイソレーターその他の実験室用封じ込めシステムに適合するサイズ
• P.18のマネジメントプラットフォームAero3Gにて制御可能


N van Doremalen, T Bushmaker, D Morris, M Holbrook, A Gamble, B Williamson, A Tamin, J Harcourt, N Thornburg, S Gerber, J Lloyd-Smith, E de Wit, and V Munster. (2020). Aerosol and surface stability of HCoV-19 (SARS-CoV-2) compared to SARS- CoV-1. The New England Journal of Medicine
https://doi.org/10.1056/NEJMc2004973.

RJ Fischer, T Bushmaker, S Judson, and VJ Munster. (2016). Comparison of the Aerosol Stability of 2 Strains of Zaire ebolavirus From the 1976 and 2013 Outbreaks. Journal of Infectious Diseases214:S290 https://doi.org/10.1093/infdis/jiw193.

N van Doremalen, T Bushmaker, and VJ Munster. (2013). Stability of Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS- nt environmental conditions. European Surveillance, 18(39), pii20590
https://doi.org/10.2807/1560-7917.es2013.18.38.20590.

室内モニタリング装置

AeroTRAK9306-V2

粒径範囲 0.3 μm~25 μm
流量 2.83 L/min(0.1CFM)
6チャンネルまで同時計測

AQ Guard

粒径範囲 0.175 μm~20 μm
粒子:PM1、PM2.5、PM10、個数濃度、粒径分布
ガス:CO2、VOC、Germ indicator、温度、圧力、相対湿度

ECOMZEN 2

最大11項目のマルチパラメータモニタリング
粒子:PM1 / 2.5 / 4 / 10(光学センサ) 
ガス:NO2、O3、CO、SO2ほか(電気化学センサ)
   CO2(NDIRセンサ)、VOC(PIDセンサ)
環境:温度、圧力、相対湿度、明るさ、騒音

室内モニタリング:使用例鉄板焼き屋

AQ Guard

• 鉄板の上には大型換気設備
• CO₂濃度は600 ppm以下
• 粒子の質量濃度(PM)は肉のフランベ時など調理時に上昇
• 感染リスク指数は最大で0.01 persons/hourと低い
• この環境下ではエアロゾル感染するリスクは極めて低いと考える

細胞暴露研究



• 細胞暴露研究に適した装置
• 細胞培養またはペトリ皿に直接エアロゾル粒子を供給する設計
• 粒子の他にもガスや粒子ガス混合サンプル(タバコ煙)を使用可能

(ご参考)粒径分布計測装置の測定粒子径範囲



エアロゾル計測、粒子捕集、粒子発生については東京ダイレックにご相談下さい
※本資料はこちらをクリックしていただくとダウンロードできます。

TEL: 03-5367-0891  mail: info@tokyo-dylec.co.jp

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