ブレーキエミッション計測における粒子計測器の紹介

ブレーキエミッション計測の背景と動向

・モビリティ排ガス規制が厳しくなり、テールパイプ由来のPM(Particulate Matter)が低減され、大気中のPM2.5の寄与が低いと言われていたブレーキダストについて注目されるようになった。


・国連傘下のPMPワーキンググループ含め世界各国で『ブレーキダスト計測手法』の議論が活発になっており、仕様の統一化が進められている。2021年には”MINIMUM SPECIFICATIONS FOR TESTING”が発表された。


・近年日本国内においてもブレーキダスト試験法がJASO規格として制定された。

 → 今後ブレーキダスト計測は各モビリティの研究開発において重要になっていくと予想される。

ブレーキ粉塵の実態調査に関する新聞記事/出典:日刊工業新聞 2017/05/22
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主な粒子計測/評価手法

ブレーキエミッションを評価する際、下記3種類の手法を用いることが一般的である。

① 質量濃度測定法 Particle Mass Concentration/PM

   単位体積中に粒子が何g存在するかを示す。(例:μg/m3 など)

   一般的な質量濃度計測は、フィルタサンプリング法や光散乱方式などがある。

   前述”JASO C 470”や”PMP minimum specification~” では、本測定法にて排出量を評価することが記載されている。


② 個数濃度計測法
Particle Number Concentration/PN

    単位体積中に粒子が何個存在するかを示す。(例:個/cm3 など)

  個数濃度計測は主にCPC法や帯電粒子の荷電量を電流計で計測し求める電流計法などがある。

  現在欧州におけるブレーキダスト排出規制は個数濃度での評価が採用される見込み。


③ 粒子径分布測定法
Particle Size Distribution

 サンプル中にどれくらいの大きさの粒子がどれくらいの割合で含まれているかを測定する手法。

 粒子径毎の評価をすることにより詳細な粒子挙動の把握が可能になる。

   ブレーキエミッション計測での粒径分布計測は、エミッションの詳細なデータを取得することができるため、研究開発に適している。

                                               
                                              参考出典:エアロゾルペディア

PMP法規制準拠 質量濃度(PM)測定装置①

PMP ワーキンググループで提案されている”MINIMUM SPECIFICATIONS FOR TESTING” において、PM計測手法要件は以下が記載されている。(2021/07月発表より抜粋)

Brake PM10 and PM2.5 mass emissions shall be measured gravimetrically.

→PM10およびPM2.5の質量評価は重量測定法にて計測することが望ましい。


『PM Sampling Devices– Single- or multi-stage PM10 and PM2.5 cyclonic separators followed by gravimetrical filter holders shall be the primarychoice for the collection of the PM10 and PM2.5 samples.

→PM10およびPM2.5のサンプリングにはシングル/多段式のPM10およびPM2.5のサイクロンの後に、フィルタホルダを使用してサンプリング。


DEKATI社 PM 10 Impactor

•ISO 23210規格に適合

•2ステージ(PM10/2.5/バックアップ)のカスケードインパクタ

•吸引流量 30/10L/minから選択可能


TSI社 Micro Orifice Uniform Deposition Impactors

(MOUDI) 100S4

•3ステージ(PM10/2.5/1)のカスケードインパクタ

•吸引流量30L/min


DEKATI社 eFilter

•フィルタサンプリングとリアルタイムPMモニタリングに対応

•吸引流量 20~100L/min(別途外部吸引ポンプが必要)

PMP法規制準拠 質量濃度(PM)測定装置②

If an additional pre-classifier is applied before the actual PM collection device, it shall feature a cut-off point ≥11.5 μm.

→PMサンプリング装置の前段には11.5μm以上をカットするサイクロンを装着することが望ましい(装置のコンタミを防ぐため)


DEKATI社 Cyclone

•10L/min吸引時、11.7μm以上の粒子を除去

『Sampling media –Teflon-coated Glass Fiber filters (i.e., Pall EMFAB TX40) or PTFE 47 mm Membrane filters with polymer support (i.e., Pall Teflo) or an appropriate impaction substrate as specified below shall be used for the brake PM10 and PM2.5 mass measurement.

→サンプリングフィルタにはガラス繊維フィルタ(PALL EMFAB TX40など)やPTFE 47mmフィルタ(PALL Tefloなど)を使用することが望ましい。


PALL社 フィルタシリーズ

•ガラス繊維フィルタ(EMFAB TX40)/PTFE47mmフィルタ(Teflo)をラインナップ

•用途にあわせた素材のフィルタを選択可能

『Weighing room – Weighing room environmental conditions shall be continuously regulated to ensure controlled conditions at 22±1°C and 50±5% RH.

→秤量環境は22±1℃(温度)、50±5%(相対湿度)の恒温恒湿環境下にて計測することが望ましい。


東京ダイレック PMフィルタ秤量用恒温恒湿槽

PWS-80NF-UP07シリーズ

•恒温/恒湿度仕様に対応し、安定した秤量環境を実現

•従来のクリーンルーム型に比べてコンパクトな設置面積

•秤量庫内環境(露点/温度/大気圧)の測定に対応

•自動車排ガス向けPM秤量庫として多くの実績

PMP法規制準拠 個数濃度(PN)測定装置①

PMP ワーキンググループで提案されている”MINIMUM SPECIFICATIONS FOR TESTING” おいて、PN計測手法要件は以下が記載されている。(2021年7月発表より抜粋)

『In order to protect the PN system from contamination a pre-classifier with a cut-off point between 2.5 and 10 μm shall be used.

→PN計測装置の粒子コンタミを防ぐため、装置前段に2.5-10μmの粒子をカットするサイクロン(Pre-classfier)の装着を推奨。


DEKATI社 DEED-500 Cyclone

•2.5-10μmの粒子をカットするサイクロン

『The dilution ratio shall be continuously monitored in real-time and the average PCRF/dilution recorded during each test shall be reported

→希釈倍率はリアルタイムでのモニタリング、平均PCRF(Particle Conc Reduction Factor)希釈倍率はレコードし各テスト毎にレポートする。


TSI社 Aerosol Diluter 3333-10

•TSI社CPC3750専用の希釈装置

•リアルタイムに希釈倍率のモニタリング


DEKATI社 eDiluter Pro

•25~225倍の希釈倍率

•リアルタイムに希釈倍率のモニタリング

•希釈済みガスが高流量の為、複数の装置による同時計測に対応

PMP法規制準拠 個数濃度(PN)測定装置②

『The CPC shall be full flow and in accordance with the specifications of GTR 15 for 10 nm measurements. These include a counting efficiency of 65% (±15%) at 10 nm and >90% at 15 nm (including the calibration factor) and operation in single count mode only

→CPCは”GTR15 10nm measurement”にて記載されているフルフローモデルを使用して計測。

上記にあわせ、10nm計測時65%(±15%)、15nm計測時は>90%のカウント効率を満たす、シングルカウントモード対応CPCが含まれる。


TSI社 CPC 3750

•フルフロー/シングルカウントモード対応のCPC

•検出粒子径 7nm~(上記10nm基準に対応)

•可測個数濃度 0~1×105個/cm3

•専用希釈装置3333-10との組み合わせで、リアルタイムの希釈倍率ロギングに対応


TSI社 CPC 3790A-10

•フルフロー/シングルカウントモード対応のCPC

•検出粒子径 10nm~

•可測個数濃度 0~5×104個/cm3

•BNCコネクタを使用したアナログin/outに対応

『It is recommended to also measure Solid PN (SPN) in parallel to the total PN concentrations.

→トータルPNとSolid PN(SPN)のパラレル計測の実施を推奨。


Catalytic Instruments社Catalytic Stripper CSシリーズ

•揮発性粒子(Volatile Particle)を除去し、Solid PNの計測が可能

•各種希釈/計測装置とのフレキシブルな運用に対応

JASO C470規格対応 測定装置

参考出典:JASO C 470:2020抜粋
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光散乱式粒子質量濃度計

DustTrak Ⅱ  MODEL 8530/8532


• 幅広い濃度レンジで計測対象を選ばない

• 粒子計測濃度:0.001~400 mg/m3 

• 小型・軽量・バッテリー駆動

• インパクタ:PM1/2.5/4/10選択可

• 粒径範囲:0.1~10 μm

• フィルタサンプリングも可能

•  JASO C 470:2020適合


カスケードインパクターMCIサンプラー 

MODEL MCIS


• 小型軽量のエアロゾルサンプラー

• 分級性能は米国FRM PM2.5相当

• 吸引流量:20 L/min 流量調整可能

• 分級:PM2.5、PM10

• 直径47mmφフィルタで捕集

• JASO C 470:2020適合

研究開発向け 粒子径分布計測

TSI社 Engine Exhaust Particle Sizer EEPS 3090


EEPS3090は、PNおよび粒径分布を0.1秒毎(10Hz)のリアルタイムに計測します。

 2004年の発売以来多くの研究機関やOEM/サプライヤー様にご利用頂いている、エミッション向け粒子径分布計測装置のスタンダードです。

幅広いアプリケーションでの計測に対応しています。


主な仕様】

粒径範囲:5.6~560nm(32ch/total,16ch/decade)

サンプル流量:10L/min

生ガス温度:~約50℃

サンプリング周期:10Hz

評価径:モビリティー分級機能とエレクトロメーター

計測:個数・質量・表面積・体積濃度分布

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研究開発向け 粒子径分布計測

TSI社 Optical Particle Sizer OPS 3330

OPS3330は、小型軽量で高精度に個数濃度/質量濃度および粒子径分布を1秒毎のリアルタイムに計測します。

 0.3~10μmの粒子径範囲で計測が可能で、最大3,000個/cm3の高濃度PN計測に対応しています。

装置内部に37mmフィルタカセットを搭載しているため、粒子の捕集が可能です。


【主な仕様】

粒径範囲:0.3~10μm(16ch)

上限個数濃度: 3,000個/cm3

評価径:光散乱方式

計測:個数・質量・粒子径分布

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研究開発向け 粒子径分布計測

6nm~10μmまでのワイドレンジエアロゾル粒径分布の計測に対応

BREMSEセッティング
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BREMSE計測事例

研究開発向け粒子径分布計測

DEKATI社 ELPI+(Electrical Low-Pressure Impactor)シリーズ

・多段式のカスケードインパクタ方式を採用

・幅広い粒径レンジで粒径分布計測

・計測と同時にフィルタサンプリング可能

 →SEMやTEMの粒子観察へ

・最大500chの高分解能オプション(HR-ELPI+)


主な仕様

・粒径範囲:0.006~10um

・サンプル流量:10 L/min

・生ガス温度:~約50℃ (最高180℃)

・サンプリング周期:10 Hz

・評価径:空気動力学径 ・計測:個数・質量・表面積・体積濃度分布

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ELPI+計測データ例

ELPI®+ vs CPC concentration & brake events Size distributions

DEKATI提供データ

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計測風景

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研究開発向け質量濃度計測


QCM-MOUDI™ ImpactorMODEL 140

•エアロゾルの質量及び粒径分布をリアルタイムに計測

•MOUDI™インパクターに水晶振動子マイクロバランス(QCM)を組合わせ

•吸入エアロゾルの湿度に対して相対湿度を一定に保ち計測誤差を低減させる機構

•数十ナノグラムから数百マイクログラムまで幅広いレンジで質量濃度検出が可能

•インパクターステージ 7段[カット径 45,74,156,305,510,960,2440(プリセパレータ)]

•吸引流量 10L/min

ご質問および装置のデモ等お問い合わせください。

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TEL: 03-5367-0891  mail: info@tokyo-dylec.co.jp