ナノ材料製造現場における多角的モニタリング

シングルナノからのエアロゾル測定

ナノ材料の定義
~REACH 附属書 VI 抜粋より~


2011 年 10 月 18 日のナノ物質の定義に関する欧州委員会の勧告に基づき、ナノフォ ームとは、天然または人工の粒子を含む物質の一状態で、分散状態(unboundstate)・アグロメレート(凝集体)・アグリゲート(凝結体)のいずれかの状態にあり、粒子数粒子径分布の 50%以上の粒子について、一つ以上の外辺が
1 nm から 100 nm であるものを指す。また、一つ以上の外辺が 1 nm 未満のフラーレン、グラフェン片、および単層カーボンナノチューブも含む。

欧州化学品庁(ECHA)
規則案の概要(抜粋)


・ 吸入可能なナノ形態の、特に作業場での潜在的なばく露を効率的に評価するために、異なるナノ形態またはナノ形態のセットについて、巻き上がり性(ダスティネス)に関する情報を提供する必要がある。


・作業性およびつり合いの理由から、他の粒子特性が、これらのナノ形態のハザードあるいはばく露に有意に影響を及ぼす場合には、10トン以上の高生産量物質の登録者のみが明示的にそのような情報を考慮する必要がある。

※平成 30 年度化学物質安全対策
JFEテクノリサーチ様資料より

ナノ材料の主な対象物質

二酸化チタン(TiO2
白色の塗料、絵具、化合繊用途などの顔料。
高い隠蔽力を持ち顔料のコーティング剤としても使用される。主な用途 化粧品、食品添加剤、光触媒、インクなど


カーボンナノチューブ(CNT)

カーボンナノチューブはその細さ、軽さ、柔軟性から、次世代の炭素素材、ナノマテリアルといわれ、様々な用途開発が行われている。
非常に高い導電性、熱伝導性・耐熱性を持つ。直径0.4~50 nm主な用途 樹脂、ゴム、インク、塗料など


カーボンブラック(CB)

工業的に品質制御して製造される直径3-500 nm程度の炭素の微粒子。
粒子径、ストラクチャー(つながり)、表面性状(官能基)を様々変える事により、特性が大きく変わり、製造法である程度コントロール可能。
主な用途 タイヤ、ベルト、ゴムシート、トナー、塗料、インク、化粧品など


グラフェン(GF)

ダイヤモンド以上に炭素同士の結合が強く、平面内ではダイヤモンドよりも強い物質。
物理的にも世界で最も引っ張りに強く、熱伝導度も良いとされ、電気伝導度もトップクラス。主な用途 トランジスタの様な半導体素子、透明導電膜など


ナノ材料製造環境

・発生源調査
・経時変化
・飛散状況
・地面からの巻上げ
・原因物質特定


東京ダイレックで可能なエアロゾル計測

・個数濃度評価
・粒径分布測定
・重量濃度評価
・粒子径別分級捕集
    ↓↓
 飛散粒子に対する多角的なモニタリングが可能

浮遊ナノ粒子測定器一覧 (個数濃度計測ベース)

SMPS:走査式モビリティパーティクルサイザー

静電分級器による精密サイズ分級と、凝縮粒子カウンターによる個数計測を組み合わせた粒子径分布計測装置。

気中ナノ粒子径測定のデファクトスタンダード。

■詳細なサイズ分解能:合計192ch(1.1 ~ 1000 nmにて)

■自動連続測定可能(1測定 最短10秒)

■ユーティリティはAC100Vのみ。現場設置も容易。

CPC:ナノ粒子計数器

凝縮粒子法により、極小ナノ粒子をカウント可能。
気中ナノ粒子のスタンダードとして、様々な分野で活用されている

■最短0.02秒毎のデータ計測(連続測定可能)

■粒子径は1.1nm~検出可能
■SMPSの個数計数器としても利用可能。※ハンディ型は不可
■ユーティリティはAC100Vのみ。現場設置も容易

NANO SCAN SMPS:ポータブルSMPS

NanoScan SMPS 3910

SMPSをより簡易に。

より多点で。

より様々な環境で。

■ポータブル型、バッテリー搭載。(給電しながらの連続測定も可能)

■粒子径範囲は10 ~ 420 nm

■OPS3330との組合せで、ワイドレンジ計測器として利用可能。(10 nm~10 µm)

OPS:オプティカルパーティクルサイザー

サブミクロン領域、高濃度対応パーティクルカウンター。

凝集粒子の粒径分布測定に

■ナノ材料の凝集粒子計測に最適。(0.3 ~ 10 µm 対応)
■ポータブル型、バッテリー搭載。(給電しながらの連続測定も可能)
■クリーンルーム用パーティクルカウンタと比べ、約15倍もの濃度耐性。

※当社比
■SMPSとの組合せで、ワイドレンジ計測器として利用可能。(10 nm~10 µm)

浮遊粒子測定器一覧 (質量濃度計測ベース)

DUSTTRAKシリーズ

質量濃度ベースの粉塵計。リアルタイム測定可能

DustTrakⅡ 8530 / 8532 (1チャンネル型)

■総浮遊粉塵 / PM10 / PM4 / PM2.5 / PM1 いずれかを
自由に切り替えて測定
■高い濃度耐性
8530:400 mg/m3 、8532 : 150 mg / m3

DustTrak DRX 8533 / 8534(5チャンネル型)

■総浮遊粉塵 / PM10 / PM4 / PM2.5 / PM1 を同時測定
■高い濃度耐性
8533 & 8534:150 mg / m3

フィルタホルダ

質量濃度測定、化学組成分析に対応した各種フィルタホルダ


47 mmフィルタホルダ


・ポリカーボネイト製
・インライン、オープン(周囲空気)測定いずれにも対応
・専用分級器を取り付け、多段サンプリング可能
例:計3段; >10 µm/ 10>2.5 µm / 2.5 µm>

47 mm/ 25 mm フィルタホルダ


・ステンレススチール製
・インライン測定に対応

3 mm TEM Gridホルダ


・ステンレススチール製
・インライン測定に対応
・対応粒径:0.001 ~ 1 μm

各種メンブレンフィルタ


・石英繊維
・PTFE
・ガラス繊維+PTFE処理
その他材質もご相談ください。
サイズ各種ございます。

カスケードインパクタ

ナノ~マイクロサイズ粒子を、粒径ごとに分級捕集


AN-200

アンダーセン 8段カスケードインパクタ
・0.43 ~ 11 µmを8段で粒径別に分級捕集
・フィルタ/金属板/ガラス板いずれかに捕集可能
・インライン、オープン(周囲空気)いずれにも対応

LP-20

ナノ粒子用 12段カスケードインパクタ

・0.06 ~ 12 µmを12段で粒径別に分級捕集
・フィルタ/金属板/ガラス板いずれかに捕集可能
・インライン、オープン(周囲空気)いずれにも対応

※別途、最小0.016 µm捕集可能モデルあり


アプリケーション例

カーボンナノチューブの作業環境測定

2013年10月
技術研究組合 単層CNT融合新材料研究開発機構(TASC)
独立行政法人 産業技術総合研究所(AIST)安全科学研究部門(RISS)
より、「安全性試験手順書」と「作業環境計測手引き」が公開された

http://www.aistriss.jp/main/modules/product/nano_tasc.html

作業環境中のCNTの現実的な計測方法例として、下記方法が紹介された

①炭素分析によるCNTの定量(年に数回)
→フィルターサンプリングを行い、炭素分析を行う
許容暴露濃度との比較に有用

Sunset社カーボンエアロゾル分析装置

②小型・簡易なエアロゾル計測(日常的なチェック)
→ブラックカーボンモニタや光散乱式粉じん計でのリアルタイム計測
日常暴露管理、空間・時間分布の把握に有用

・ブラックカーボンモニタ(左)
・光散乱式粉じん計(中央・右)

カーボンブラック作業環境測定の活用装置例

カーボンブラックの許容曝露濃度:4 mg/m3 (総粉じん)1 mg/m3(吸入性粉じん) 産業衛生学会(TWA 3.5 mg/m3(職業曝露)米国NAIOSH)

装置の貸出し対応可能です。オペレーターの現場派遣対応もご相談ください。

半導体分野向け微粒子計測装置については東京ダイレックにご相談下さい。
※本資料はこちらをクリックするとダウンロードできます。

TEL: 03-5367-0891 mail: info@tokyo-dylec.co.jp