TSI社製粗大粒子発生装置を用いたKCl粒子の粒径分布測定

Instrument Performance test 2018 No.03 TOKYO DYLEC 社内レポート

概 要

TSI社製粗大粒子発生装置 モデル8108は、塩化カリウム(以下、KCl)を用いた粒子発生器であり粗大粒子を安定的に高濃度で発生することが可能です。
モデル8108は円筒チャンバーとコントロールボックスから構成されており、 圧縮エアーを供給すると、円筒チャンバー上部のノズルから液滴が噴霧されます。噴霧された液滴は加熱管及び、イオナイザーを通過したのちに、チャンバー下部から導入されるエアーと混ざることにより乾燥し、固体塩粒子が生成されます。生成された粒子はチャンバー下部のシリンダーより発生されます。 円筒チャンバーは直管であり、粒子のロスを最小限に防ぎます。
モデル8108は高濃度に粗大粒子を発生出来る事から、以下の規格のテスト粒子として適しています。

・ISO/TS 11155-1
・ASHRAE 52.2
・ISO 16890-2

本レポートは、TSI社製粗大粒子発生装置 モデル8108を用いて発生したKCl粗大粒子をTSI社製APSモデル3321を使用し、同装置専用希釈器 モデル3302Aで100倍に希釈後、粒径分布及びトータル発生濃度の安定性を測定し、まとめたものです。

試験日時:2017年7月5日(水)

<KCl粗大粒子の計測>
試験経路をFig.1に示す。今回の計測においては発生粒子の配管ロスを最少に抑える為に重力方向にラインを組み、発生器出口にボアスルーコネクターを用いた。また測定機(APSモデル3321)につながる内部の管の直径は8 mmとした。KCl水溶液供給ポンプの供給量は10 及び 20 rpmの2種で発生を試みた。

①粗大粒子発生器 モデル8108
    発生溶液:KCl水溶液
    KCl濃度:23 % (60 g/イオン交換水 200 ml)
    溶液供給用ポンプ回転数:10 及び 20 rpm (装置設定表示はSpeed1 及び 2)
    ATM流量:60 SCFH (約28 L/min)
    乾燥エアー流量:240 SCFH (約113 L/min)

②エアロゾル希釈器 モデル3302A
    希釈倍率:100倍 (本レポートにおいては計算済み)

③APSスペクトロメーター モデル3321
    粒子径範囲:0.5 ~ 20 µm
    吸引流量:5 L/min


個数濃度粒径分布

質量濃度粒径分布

結果
個数濃度粒径分布の示すモード径は0.8 μmであった。総個数濃度はspeed2で1.2×105 (p/cc)speed1では4.0×104 (p/cc)程度となり、KCl水溶液供給量による濃度差が確認されたが、いずれも発生は安定していた。
質量濃度粒径分布の示すモード径は7.8 μmであった。総質量濃度はspeed2で832.7 (μg/m3)speed1では341.5 (μg/m3)程度であった。


結論
TSI社製粗大粒子発生装置 モデル8108を用いて発生させたKCl粒子は、個数濃度において0.8 μm 質量濃度において7.8 μmのピークを持ち、水溶液供給量を変化させることにより発生濃度を調節することが可能である。

※本資料はこちらをクリックするとダウンロードできます。

TEL:03-5367-0891  Mail:info@tokyo-dylec.co.jp

カタログダウンロード申込フォーム

下記フォームをご入力の上、資料をダウンロードください。 * は必須項目です。
※一週間内であれば再度ご入力の必要はございません。
お名前*
メールアドレス*
会社名*
役職名
電話番号
ご意見・ご要望
お申し込みありがとうございました。

カタログをダウンロードしています...
ダウンロードが始まらない場合は以下のリンクをクリックしてください。